岡本綺堂 『半七捕物帳』 「いや、そんなに行儀好くするにゃあ及ばねえ…

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青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「いや、そんなに行儀よくする必要はないよ」
「さあ、ここに座って、仲良く話そうじゃないか」
「親分に聞かれたことは、何でも正直に言うんだぞ」
「ジロウベエはお前の弟で、川越から江戸に奉公に出てきたんだね」
「それが3月3日に来て、5日から行方がわからなくなったというのは本当か？」
「はい。5日の夕方にどこかにフラッと出て行きました、それきり音沙汰がありません」

原文 (会話文抽出)

「いや、そんなに行儀好くするにゃあ及ばねえ」
「まあ、ここへ掛けて、仲好く話そうじゃあねえか」
「親分に訊かれたことは、なんでも正直に云うのだぜ」
「次郎兵衛はおめえの弟で、川越から江戸へ奉公に出て来たのだね」
「それが三月の三日に来て、五日からゆくえが知れなくなったと云うのは本当かえ」
「はい。五日の夕方にどこへかふらりと出て行きました、それぎり音も沙汰もございません」

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