夏目漱石 『吾輩は猫である』 「それじゃ、今度寒月が来たら、博士論文をか…
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青空文庫図書カード: 夏目漱石 『吾輩は猫である』
現代語化
「それじゃ、今度寒月が来たら、博士論文を書くように僕から勧めてみよう。でも当人が金田の娘を貰うつもりかどうだか、それはまず聞いてみなきゃいけないな」
「聞いてみるなんて、君そんな角ばったことをしても物はまとまらないよ。やっぱり普通の会話の中でそれとなく関心があるかどうかを探るのが一番近道だよ」
「関心があるかどうかを探る?」
「うん、探るっていうと語弊があるかもしれない。――いや、探らなくてもいいよ。話をしてると自然にわかるものだよ」
「君にはわかるかもしれないけど、僕にははっきりと聞きたいことはわからない」
「わからなくても、まぁいいよ。でも迷亭君みたいに余計な口を挟んで台無しにするのは良くないと思う。仮に勧めなくても、こんなことは本人の意思に任せるべきものだからね。今度寒月君が来たらなるべく邪魔をしないでくれ。――いや、君のことは言ってないよ。あの迷亭君のことでさ。あいつの口にかかると到底うまくいかないから」
原文 (会話文抽出)
「それじゃ、今度寒月が来たら、博士論文をかくように僕から勧めて見よう。しかし当人が金田の娘を貰うつもりかどうだか、それからまず問い正して見なくちゃいかんからな」
「問い正すなんて、君そんな角張った事をして物が纏まるものじゃない。やっぱり普通の談話の際にそれとなく気を引いて見るのが一番近道だよ」
「気を引いて見る?」
「うん、気を引くと云うと語弊があるかも知れん。――なに気を引かんでもね。話しをしていると自然分るもんだよ」
「君にゃ分るかも知れんが、僕にゃ判然と聞かん事は分らん」
「分らなけりゃ、まあ好いさ。しかし迷亭君見たように余計な茶々を入れて打ち壊わすのは善くないと思う。仮令勧めないまでも、こんな事は本人の随意にすべきはずのものだからね。今度寒月君が来たらなるべくどうか邪魔をしないようにしてくれ給え。――いえ君の事じゃない、あの迷亭君の事さ。あの男の口にかかると到底助かりっこないんだから」
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