佐々木味津三 『右門捕物帖』 「遠路のところわざわざ呼びだていたして、き…
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GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
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青空文庫図書カード: 佐々木味津三 『右門捕物帖』
現代語化
「遠くからわざわざ呼んでしまって、悪いことをした。お前のことだから、重大なことと察して来たのだろうが、実はちょっと奇妙な事件が突然起きたんだよ」
「どういった事件なのか存じませんが、その奇妙な事件というのは、殿様がご帰国になってから起きたことですか、それとも以前からあったことですか」
「それがわしの帰国と同時に起きたんだよ。不審に堪えられず、すぐにそちらを呼んだのさ」
「そうしますと、何かご帰国に関係があるようにも思われますが、一体どういった事件でしょうか」
「一言で言うと、辻斬りなんだ」
「辻斬り……？ 辻斬りと言いますと、いくらでも世の中に例のあることですし、別に変わったことのようには思われませんが、何か奇妙な点でもあるんですか」
「大いにあってね。襲われたのは、奇妙なことに、いずれもわしの家中の腕利きばかりなんだ。最初の晩にやられたのは西口流柔術の達人、次の晩は小太刀の指南役、3日目は家中きっての使い手と、一夜に3人もやられてしまったんだ。しかも、それらが、――」
「一刀でバッサリと袈裟懸けにでもされたんですか」
「いや、バッサリではバッサリなんだけど、奇妙なことに、どれもこれもが揃いも揃って右腕ばかりを切り取られているんだよ。ちょっとばかり怪しい辻斬りじゃないか」
「なるほど、確かに少し不思議ですね」
原文 (会話文抽出)
「遠路のところわざわざ呼びだていたして、きのどくじゃった。そちのことであるゆえ、重大事とにらんで参ったことであろうが、実は少しばかり奇っ怪なできごとが突発いたしよってな」
「なにかは存じませぬが、その奇っ怪事とやらは、殿さまご帰国ののちに起こったのでござりまするか、それとも以前からあったのでござりまするか」
「それがわしの帰国と同時に起こりよったのでな、不審にたえかね、そうそうにそのほうを呼び招いたのじゃわ」
「といたしますると、何かご帰国に関係があるようにも思われまするが、いったいどのような事件にござります？」
「一口に申さば、つじ切りなのじゃ」
「つじ切り……？ つじ切りと申しますると、いくらでも世の中にためしのあることでござりますゆえ、別段事変わっているようには思われませぬが、なんぞ奇怪な節でもがござりまするか」
「大ありなのじゃ。難に会うた者は、奇怪なことに、いずれも予が家中での腕っききばかりでの、最初の晩にやられた者は西口流やわらの達人、次の晩は小太刀の指南役、三日めは家中きってのつかい手が、一夜に三人までもやられたのじゃ。しかも、それらが、――」
「一太刀でぱっさりと袈裟掛けにでもされたのでござりまするか」
「いや、ぱっさりはぱっさりなんじゃが、奇怪なことには、どれもこれもが一様にみんなそろって右腕ばかりを切りとられたんじゃから、ちっとばかりいぶかしいつじ切りではないか」
「なるほど、少し不思議でござりまするな」
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