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青空文庫図書カード: 岡本かの子 『富士』
「お前等は、その目を向けるべきものがあればいつでも向けるが宜し。然し決してその目を向けてはならないものがある。それは今の私を見るお前等自身の目だ。お前等は私を見て、この私を美しく思うが故に、おのれさえも美しく見せようと思う。自分が美しく見えるということは、私がお前等を美しく思うということだ。おのれが美しいと我々が思うというのは、取りも直さず我々が美しいということを示すのだ」
「だがしかし、お前等は、もしも一人の美しい人が、さも美しい姿を見ていたなら、即ち美しくあるという印象を与えるだろう」
「我々―しかも美を誇る我々は、たとえ我々の目があの美しいものを指して見ても、その美しいものを美しくあらしむる美しさは見ることも見られることもできない。我々があの姿に感ずるものは単なる形に与えられた当の者の姿を知るだけのもの以外の何ものでもない」
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