三遊亭圓朝 『敵討札所の霊験』 「お前これ程まで云うても云うことを聴かれぬ…

青空文庫現代語化 Home書名リスト三遊亭圓朝 『敵討札所の霊験』

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。 正しく現代語化されていない可能性もありますので、必ず原文をご確認ください。


青空文庫図書カード: 三遊亭圓朝 『敵討札所の霊験』

現代語化

「お前、これほど言っても言うことを聞かないのか?」
「聞きません。怖くて、恐ろしくて、泊めるわけにはいきません。今すぐお帰りください」
「言うことを聞かないなら仕方がない。今こそは寺男だけど、もともと私は武士だ。こう言われて恥をかかされたら帰れないよ。さあ、ここに私の刀がある」
「あれ、脇差しを持っていらっしゃるんですね」
「さあ、可愛さ余って憎さが増すのもわかるが、どうだ?」
「これはおもしろい。はい、私が言うことを聞かないなら殺すとは恐ろしい人。さあ、殺すならお殺しください」
「おい、どうしてそんなに可愛くて殺せると思う? 殺すまでお前に惚れたと言っているんだ」
「何を仰るの? 死ぬほど惚れられても私は嫌です。誰の言うことも聞くものですか? 嫌で嫌で愛想が尽きたから、帰ってください」
「愛想が……本当に切る気になるよ」
「さあ、お切りなさい」
「そう言われても、殺す気ならば、そこまで思わないだろう? 本当に? 本当に言うことを聞かないと、思い切って切りますよ」
「あれえ、人殺し」
「姉さんをどうするの?」
「人殺しィ」

原文 (会話文抽出)

「お前これ程まで云うても云うことを聴かれぬか」
「聴かれません、怖くって、恐ろしい、お置き申すわけにはいきません、只った今おいでなすって下さい」
「云う事を聴かれぬ時は仕方がない、今こそは寺男なれども、元私は武士じゃア、斯う言出して恥を掻されては帰られませんわ、さア此処に私の刃物がある」
「あれ、脇差を持っておいでなすったね」
「さア、可愛さ余って憎さが百倍で殺す気に成るが、何うじゃア」
「これは面白い、はい、私が云う事を聴かない時は殺すとは恐ろしいお方、さア殺すならお殺しなさい」
「これさ、何うしてお前が可愛くって殺せやあせぬ、殺すまでお前に惚れたと云うのじゃ」
「何を仰しゃる、死ぬ程惚れられても私は厭だ、誰が云う事を聴くものか、厭で/\愛想が尽きたから行って下さいよう」
「愛想が……本当に切る気に成りますぞ」
「さアお切りなさい」
「然う云われても殺す気ならば、是ほど思やアせんじゃアないか、えゝか、ほんに云う事を聴かぬと、私は思い切って切りますぞ」
「あれえ人殺し」
「姉さんを何うする」
「人殺しイ」

青空文庫現代語化 Home書名リスト三遊亭圓朝 『敵討札所の霊験』


青空文庫現代語化 Home リスト