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青空文庫図書カード: 三遊亭圓朝 『敵討札所の霊験』
「はい、宗円寺様へ行ってました」
「何でお前逃げ出したんだよ?」
「お母様があんなに怖いこと言うんですもの。宗慈寺の和尚様が薪割りを持って殺しちゃうって。怖くて一生懸命に逃げたんですけど、行くところがないから、宗円寺様にご厄介になりました」
「お前、本当じゃないよ。脅かしてるんだよ。からかったんだ」
「いいえ、からかいじゃないんです。一生懸命な顔で、怖いことを…」
「一生懸命だって。お前をかわいがって、お供物とかいろいろくれる旦那様だもの。ほんの冗談だよ」
「そうよ。私はね、お父様を探しに行ったんです」
「お父様は商売好きだから、あの金沢から山中の温泉場の方へ商売に行って、もしかしたら大阪まで回って買い出しをしてこようと、ちょっと宗慈寺様から資金を借りたんだ。それで、買い出しとか、商売で行ったから、半年や1年では帰らないかもしれないよ。その代わり、しっかり仕入れてきて、以前の半分くらいになれば、お継にも着物を買ってやると言ってて。お前がかわいいからなんだよ」
「そう、お父様が半年も帰らないと、私は一人で寝るんです?」
「いいじゃないか。私が抱いて寝るから」
「嬉しい。あの子たちと違って、私は小さい頃からお父様とばかり一緒に寝てきました。お母さんと一緒に寝られるなら、いつまでもお父様は帰らなくてもいいの」
「そうかい。私と寝られれば、お父様は帰らなくても嬉しいって思うかい?そう言うなら、本当に私はお前がかわいそうで。かわいくなってきて。どれくらい嬉しいか分からないよ。本当なら小さいうちから抱いて寝たかったんだけど、なぜか隔てていて。私が抱いて寝るとお父さんに怒られたけど、お前の方から抱いて寝たいって言うのは、本当にかわいいよ」
「私も本当に嬉しいの」
「お、お前、私が膳を立てるから、お前はお仏壇にお線香をあげなよ。お父様ってじゃなくて、ご先祖様へ」
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