岡本綺堂 『半七捕物帳』 「さっきから俺がこんなに口を利いているのが…

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青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

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「さっきから俺がこんなに話してるのに、お前の頭に入らないのか。橋番に引き渡すなんて言ったのは俺が悪かった。そんな面倒なことはやめて、ここで話聞かせろ。そうして、どうせ死ななきゃ気が済まない理由があるなら、俺が手伝って殺してやる。どうにか死ななくても済むなら、昔の人が言ったように、『川柳』の石を捨てろって、俺も相談に乗るよ。おい、黙ってると困る。何か返事しろよ」
「ありがとうございます」
「せっかくですが、これだけは言えません」
「そりゃあ言いづらいのはわかる。でも、言わなきゃ終わらない。くどいようだけど、悪いことはしない。人にも言わない。俺も男だ。こうやって誓った以上は、絶対嘘はつかないから、安心してお話くださいよ」
「ありがとうございます」
「聞いたことある声だな」
「さっきも思ったけど、どこかで聞いたような気がする。お前は知り合いじゃないのか?俺は神田の半七だ」

原文 (会話文抽出)

「さっきから俺がこんなに口を利いているのがお前にはわからねえのか。橋番へ引き渡すなんて云ったのは俺が悪い。そんな野暮なことは止めにして、ここでお前の話を聞こうじゃあねえか。そうして、どうでも死ななけりゃあ納まらねえ筋があるなら、おれが手伝って殺してやるめえものでもねえ。また死なずとどうにか済みそうな筋合いなら、古い川柳じゃあねえが、ようごんす袂の石を捨てなせえ、と俺も相談に乗ろうじゃあねえか。おい、黙っていちゃあ困る。なんとか返事をしてくれねえか」
「ありがとうございます」
「折角でございますけれど、どうにもこればかりは申し上げられません」
「そりゃあどうで云いづれえことに相違ねえ。だが、云わずにいちゃあ果てしがつかねえ。くどいようだが決して悪くはしねえ。人に明かして悪いことなら、決して他言もしねえ。おれも男だ。こうして誓言を立てた以上は、かならず嘘はつかねえから、まあ安心して話して聞かせるがいいじゃあねえか」
「ありがとうございます」
「聞いたような声だな」
「さっきもそう思ったが、どうも聞き覚えがあるようだ。おめえは識っている人じゃあねえかえ。おれは神田の半七だよ」

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