太宰治 『津軽』 「どちらへ、いらつしやつたのですか?」…

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青空文庫図書カード: 太宰治 『津軽』

現代語化

「どこから来たんですか?」
「ちょっと休憩させてください。」
「呼んで来ます。」
「すみません。」
「病院に行くんですか?」
「そうだと思います。」
「ちゃんと言っておいたの?」
「まあね。」
「昼時で都合が悪かったね。」
「僕らお弁当持ってきたんで。」
「どうぞ。」
「いや、ちょっと無理です。」
「船が出たら竜飛まで行こうと思ってるんですが。」
「そう。」
「ちょっと出てきますね。」
「仕方ないな。」
「じゃあここで弁当食べるか。」
「座ったままでもいいよ。」
「上がらない?」
「上がらせてもらうわ。」
「次の旅程ゆっくり考えよう。」
「礼儀とか文化はまだまだ未発達だからね。」
「お酒ありますよ。」
「飲みましょう。」
「ここで飲んじゃダメでしょ。」
「大丈夫ですよ。」
「竜飛に持っていくお酒は別に用意してありますから。」
「へえ。」
「でも、今飲んじゃ竜飛に着くのが遅くなるかもよ。」
「それじゃあ酔わない程度にちょっと飲みましょう。」
「飲んだら酔いますよ。」
「今日は三厩泊まりかな?」
「いいですね。今別でゆっくり遊んで、三厩まで歩いて。ぶらぶら歩いて1時間くらいかな? 酔っ払っても余裕で行けます。」

原文 (会話文抽出)

「どちらへ、いらつしやつたのですか?」
「とにかく、ちよつと休ませていただきます。」
「呼んでまゐります。」
「はあ、すみませんですな。」
「病院のはうですか?」
「え、さうかと思ひます。」
「よく、打合せて置いたのかね。」
「うん、まあね。」
「あいにく昼飯時で、いけなかつたね。」
「いや、僕たちもお弁当を持つて来たんだから。」
「さ、どうぞ。」
「いや、さうしても居られないんです。」
「船が出るやうだつたら、すぐに船で竜飛まで行きたいと思つてゐるのです。」
「さう。」
「ぢやあ、出るかどうか、ちよつと聞いて来ます。」
「仕方が無い。」
「それぢや、ここでちよつと休ませてもらつて弁当を食べるか。」
「うん、ここで腰かけたままでいい。」
「あがりませんか。」
「あがらしてもらはうぢやないか。」
「ゆつくり、次の旅程を考へませう。」
「礼儀文華のいまだ開けざるはもつともの事なり。」
「お酒は、あります。」
「飲みませう。」
「いやいや、ここで飲んでは、」
「それは大丈夫。」
「竜飛へお持ちになる酒は、また別に取つて置いてありますから。」
「ほほ、」
「いや、しかし、いまから飲んでは、けふのうちに竜飛に到着する事が出来なくなるかも、」
「それぢや酔はない程度に、少し飲まうか。」
「飲んだら酔ふよ。」
「けふは、これあ、三厩泊りかな?」
「それがいいでせう。けふは今別でゆつくり遊んで、三厩までだつたら歩いて、まあ、ぶらぶら歩いて一時間かな? どんなに酔つてたつて楽に行けます。」

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