横光利一 『旅愁』 「あなたさっき、何んだか分らなくなったって…

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現代語化

「さっき、なんかわからなくなっちゃったって言ってませんでしたっけ。何のことだったんですか?」
「なんか言ってたかな。疲れるとたまにそうなるんだ。わかってるはずのことが、急にぴたりとわかんなくなる。頭の中の心臓が急に止まったみたいになって、中が空っぽになる感じ。」
「神経衰弱なんじゃないですか?」
「神経衰弱は卒業したはずなんだけどな。でも、神経衰弱のさらに奥にヤバいのがいるんだよ。それだ。」
「ふふ。」
「じゃあ、あなたにも付けましょうよ。」
「あなたもこれを着てたらいいですよ。もうそんなに暑くないんですから。」
「花っていいもんだよね。花が嫌いな人なんているのかな。」
「でも、お茶にはお花はあまり合わないですよ。」
「お茶か。」

原文 (会話文抽出)

「あなたさっき、何んだか分らなくなったって仰言ってたわね。何んのことだったの。あれ?」
「何んか云ったな。ときどき疲れるとあんなことがあるんだ。今まで分っていたことが、急にぴたりと停って分らなくなるんだね。頭の中の心臓が急に停ったみたいな風になって、中が空になるんだ。」
「神経衰弱ね、あなたも。」
「神経衰弱は卒業したさ。ところが、神経衰弱のも一つ奥に妙なものがあるんだ。そ奴だ。」
「ふふ。」
「じゃ、あなたにも上げてよ。」
「あなたもこれを着てらっしゃいよ。もうそんなに暑くないんですもの。」
「花はいいものだな。花の嫌いなものはあるかね。」
「でも、お茶じゃあまりお花はいけないのよ。」
「お茶か。」

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