コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳『樺太脱獄記』 「飲みましたよ。」…
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青空文庫図書カード: コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳『樺太脱獄記』
現代語化
「飲みましたよ。」
「勝手にしてくれ」
「別にいいよ。怒らないでよ。お酒は飲むけど、酔うことはないから。お願いがあるんだけど、うちに預けてる袋を誰にも渡さないでいてくれない?私が自分で取りに行って、渡してくれって言うまで、渡さないでね。分かった?」
「分かった。でも、酔っ払って俺のテントに来るのは勘弁してくれよ。」
「行かないよ」
「いい馬だよ。高く売れるだろうな。俺が賭けてるんだ。この走りっぷりを見てよ。これをタタール人に売れば、俺の言い値で売れるよ。タタール人ってのは、いい馬を命より大事にするからね。」
「なんで売るの?売ったら、その後どうするの。」
「売らなきゃいけないから売るんだよ。」
「実は俺、この村で知り合いに会ったんだ。もう何もかも捨ててしまうことにしたよ。ほら、あの青い馬に乗ってるタタール人あれだよ。『おい、アハメッド。ちょっと来い』。」
原文 (会話文抽出)
「飲みましたよ。」
「それは勝手さ」
「なに、構ひません。おこつては厭ですよ。酒は飲みますが、決して酔ひはしません。あなたに頼んで置きますがね、お内に預けてある袋を誰にも渡さずに置いて下さい。わたくしが自分で行つて、渡して下さいと云つても、渡しては行けませんよ。分かりましたか。」
「分かつた。だがね、酒に酔つて己の天幕へ来るのは御免だよ。」
「行きはしません」
「好い馬ですよ。大した金になります。わたくしは賭をしてゐます。この駆ける所を見て下さい。これで韃靼人に売れば、直段はわたくしのいふ通りになります。韃靼人といふ奴は、馬の好いのを、命よりも大切にしますからね。」
「なぜ売るのだね。売つてしまつて、これから先どうする。」
「売らなくてはならないから売ります。」
「実はわたくしは、この村で知人に逢つたのです。もう何もかも棄てゝしまひます。御覧なさい。あの青に乗つてゐる韃靼人がそです。『おい/\。アハメツトや。ちよつと来い』。」
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