宮本百合子 『播州平野』 「ほん、どうしていいやら、わたしには分らん…

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青空文庫図書カード: 宮本百合子 『播州平野』

現代語化

「ほんとうに、どうしていいか分からないようになってしまった……」
「どうして？　お母さん」
「今までお母さんに分からないことは、一度もなかったのよ。今度だって、立派に、壁までもうつけ始めたじゃないの」
「つや子は、私のすることが気に入らないと、きつく怒っているの。おばあちゃんみたいに、人ばかり頼っても、食べさせるご飯だけでも面倒だっていうけど、男を頼まないで、どう、なるかしら。女ばかりで……」

原文 (会話文抽出)

「ほん、どうしていいやら、わたしには分らんようになった……」
「どうして？　おかあさん」
「これまでお母さんに分らないということは、一つだってなかったことよ。こんどだって、立派に、壁までもうつけはじめたじゃないの」
「つや子は、わたしのすることが気に入らんと、きつうおこりよって。おばあちゃんのように、人ばかり頼んでも、たべさせる御飯だけでもせんないいうてじゃが、男たのまいで、どう、なろうかいの。女ばかりで……」

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