宮本百合子 『道標』 「われわれの住んでるのはこの辺なんですがね…

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青空文庫図書カード: 宮本百合子 『道標』

現代語化

「俺らの住んでるこの辺なんだけどね」
「あっ、ここだ」
「また明日、ホテルに戻ると思うけど――印しとく?」
「へえ、これがデュトって読むんだ。フランス語って、だからイヤ。「デュトット」って読んじゃうよ。そう書いてあるんだもん」
「佐々さんは、しゃべれますか?」
「ねえ、あたし、フランス語いくつ知ってると思う?――まず、こんにちは、でしょ。それから、ありがとう。フランス語しゃべれないの」
「でも、それじゃダメなんです。それ、そのまま言ってるじゃないかって言われるから」
「でも、パリの中なら英語でも困りませんよね」
「それに、どの店でもたいてい値札つけて売ってますから」

原文 (会話文抽出)

「われわれの住んでるのはこの辺なんですがね」
「あった、ここです」
「どうせ、あした又ホテルへは来てみますが――線を引いておきましょうか」
「へえ、これでデュトですか。フランス語って、だからいやさ。わたしならデュトットと読んじまう。そう書いてあるんだもん」
「佐々さんは、お話しなさるんでしょう?」
「そうねえ、わたし、いくつフランス語をしっているかしら――まず、こんにちは、ね。それから、ありがとう。わたしはフランス語を話しません」
「ところが、それを云っちゃ駄目なんです。それ、そのとおり話しているじゃないかってやられるから」
「でも、パリのなかでなら英語で御不自由はありませんわね」
「それに、どの店でもたいてい正札つきでものを売って居りますから」

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