宮本百合子 『道標』 「――実際、映画や演劇って奴は、ギリギリま…

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青空文庫図書カード: 宮本百合子 『道標』

現代語化

「――実際、映画や演劇ってやつは、ギリギリまで近代企業に頼りたがるからね」
「ドイツ映画にしたって、もうダメだ。エロティシズムにしろ、異常神経にしろ、マンネリズムだ。パプストにしたって鼻持ちならないくらいだ。そうかと思うと、一方のランベル・ウォルフも限界だよ」
「このままだとトーキーになったとしても、ドイツ映画は終わりだね」
「そうさ、目に見えてる。アメリカ資本に食われちまうんだ」

原文 (会話文抽出)

「――実際、映画や演劇って奴は、ギリギリまで近代企業でいやがるからね」
「ドイツ映画にしたって、もう底をついたさ。エロティシズムにしろ、異常神経にしろ、マンネリズムだ。パプストにしたってうぬぼれるがものはありゃしないんだ。そうかって、一方じゃラムベル・ウォルフでもう限界なんだから」
「このまんまトーキーにでもなったら、ドイツ映画も末路だね」
「そうさ、目に見えていら。アメリカ資本にくわれちまうんだ」

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