宮本百合子 『道標』 「いま第一国立オペラ・舞踊劇場で『赤い罌粟…

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青空文庫図書カード: 宮本百合子 『道標』

現代語化

「今、第一国立オペラ・バレエ劇場で『赤いケシ』やってますよ」
「あれってどうなんすか？ 本格バレエじゃねえんすか」
「レニングラードじゃ、今シーズンは『眠れる森の美女』やってて、やっぱスゲえと思いましたよ ――もちろん『赤いケシ』も見たくなってこっち来たんですけど」
「オレは主に古典バレエについて書いてるんすよ。何しろそれが基本っすから」

原文 (会話文抽出)

「いま第一国立オペラ・舞踊劇場で『赤い罌粟』をやってますよ」
「あんなのは、どうなんです？　正統的なバレーとは云えないんですか」
「レーニングラードでは、このシーズン、『眠り姫』をやっているんですが、僕はやっぱり立派だと思いました――勿論『赤い罌粟』なんかも観たくてこっちへ来たんですが」
「僕は主として古典的なバレーを題目にしているんです。何と云ってもそれが基礎ですから」

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