林不忘 『平馬と鶯』 「おい、おい、今年はいよいよ結城からあの平…

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青空文庫図書カード: 林不忘 『平馬と鶯』

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「おいおい、今年はいよいよ結城から平馬ってやつが出るとかよ。あいつが一番ヤバイ」
「あいつ、もう一年元服延ばせねーかな!」
「そんな自分たちに都合の良いこと言ってもダメだ。でも、平馬が出たらヤバいよ、マジで」
「俺はよく知らんけど、あいつそんなに強いのか?」
「強いって、めっちゃ強いらしいよ。見物した人たちが言うには、どんな流派でも、平馬くらいの使い手は江戸でもそんなにいないらしい」
「へー――平馬が強いのは今に始まったことじゃねーよ。去年も一昨年もあいつが出たら俺たちは負けてたんだ。でもまだ前髪があったから、試合に出られなかったんだけど。今年出るとなったら、残念ながら俺たち負けだな」
「四年目にして奉納試合を結城に持って行かれるのか。残念だ」
「なんとかして平馬が試合に出られないようにしようぜ!」
「そうだ、そうだ――あいつ、風邪でも引かないかな」
「バカ! そんな悠長にできるかよ。一対一じゃ勝てない相手なら――闇討ちしかないだろ!」
「そうだ、そうだ! 闇討ちだ! 闇討ちだ!」
「殺すのはダメだ。殺すと面倒になる」
「ただ肩の骨を折るとか、指を折るとかして、今回の試合に出られないようにすればいいんだ」
「なるほどそれしかない。さっさと間者を送って、あいつの動きを探らせよう」
「そしたら大勢で待ち伏せしてやればいいんだ。向こうは一人、こっちは大勢、平馬でも鬼神じゃあるまい。怖くないよ」
「いい考えだ、いい考えだ!」

原文 (会話文抽出)

「おい、おい、今年はいよいよ結城からあの平馬というやつが仕合に出ると申すではないか。あいつが一番厄介だな」
「あいつ、もう一年元服を延ばせばいいのになあ!」
「そんなこっちにばかり都合のよいことを言っても始まらん。しかし、平馬に出られては弱るよ、じっさい」
「俺はよくは知らんが、あいつそんなに強いのか?」
「強いとも、つよいとも、物見の申すことには、まず何流と言わず、平馬ほどの使手は、江戸にまいってもさほどにあるまいとのことだ」
「ふうむ――それは、平馬の強いことは、いまに始まったことではない。去年も一昨年もあいつが出れば俺たちは負けたのだ。それがまあ、まだ前髪があったばかりに、仕合へは出られなかったので、俺たちは助かってきたのだ。今年こそ出るとなれば、遺憾ながら我々は負けだな」
「四年目に奉納仕合の勝ちを結城へ持って行かれるのか。残念だな」
「なんとかして平馬が仕合に出られないようにしてやろう!」
「そうだ、そうだ――やつ、風でも引かないかな」
「馬鹿! そんな呑気なことを言っている場合ではない。一人ずつ面と向って叶わない相手なら――闇討にきまっておるではないか!」
「そうだ、そうだ! 闇討だ! 闇討だ!」
「殺してはいけない。殺すと面倒だ」
「ただちょっと肩の骨を挫くなり、指を折るなりして、今度の仕合に出られないようにしてやりさえすればよいのだ」
「なるほどそれにかぎる。さっそく、間者を放って、彼の動静をうかがわせるとしよう」
「それによって大勢で待ち伏せしてやってしまうのだ。向うは一人、こっちは大勢、平馬といえど鬼神ではあるまい。あに恐るるにたらんやだ」
「名案、名案!」

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