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青空文庫図書カード: 徳田秋声 『足迹』

現代語化

「やっぱりそうだろうと思ったよ」
「あそこも最近は料理屋みたいになっちゃって、三味線も鳴ってるし、化粧した女もいるらしいよ」
「もういっそのこと、ずっと居ついて出なければいいのに」
「出なければどうするんだよ。子供じゃまともに働けないし……」

原文 (会話文抽出)

「それ、そんなこンだろうと思ったい。」
「あすこも近年は料理屋みたいな風になってしまって、ベンベコ三味線も鳴れア、白粉を塗った女もあるせえ。」
「いっそもう、そこへ居坐って出て来なけアいい。」
「出て来なけアどうするえ。稚いものがいちゃ働くことも出来まいが……。」

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